ヨーロッパプレイス

パパ先制打

2010年04月28日 05:27

皆さん今晩おはようございます。

先の記事でお気づきになった方もいるかと思いますが、
変な竿が写真に写っていましたね。



ええ。ええ。
引っ張りますよ~(笑)


さて、秋に偶然釣れていらいご無沙汰だった鰈(カレイ)です。
最近はコイツがメインになってきたにもかかわらず、まだ紹介していませんでした。
そこで今日は、カレイと乱獲についてです。

出典:Wikimedia Commons - Pleuronectes platessa

ヨーロッパプレイスです。

アイルランドは北にあるせいか日本と違って魚種が少なく、
食卓を飾る魚もワンパターンになりがちですが、
カレイは釣って良し食べて良し。
こいつがアイルランドにいてくれただけでも有難いことです。

しかし、やはりというか日本のカレイとはちょっと違うようです。
食べた感じは・・・こっちのほうが美味しい気もするなぁ。
引きは日本のカレイよりもずっと弱い気がする。

辞書には単に「プレイス」とありました。<研究社新英和大辞典
Wikipediaにもヨーロッパプレイスとなっていますね。
いわゆる和名は付いていないか、専門用語になるのでしょうね。

北海近辺の魚たちであるCod(マダラ)、Monkfish(アンコウ)、
Sole(シタガレイ又はシタビラメ)と同様非常にポピュラーな魚で、
肉屋(ブッチャー)でもスーパーでも広く手に入る魚です。

日常会話ではPlaice(プレイス)と言ったりFlounder(フロウンダー)と言ったり、
Flatfish(フラットフィッシュ)と言ったりと、なんかばらばら。
日本とは違って、魚に関しては呼称がかなりいい加減ですね。

Plaice : 種の名前。Lefteye Flounderとも言う。(ヒラメはRighteye Flounder。)
Flounder : 集合名詞。カレイとヒラメの総称。
Flatfish : 集合名詞。カレイ、ヒラメ、舌平目の総称。

Plaice ∈ Flounder ⊂ Flatfish ですから(記号は自信なし)、
とりあえずFlatfishと言えば通じます。(ヘタレ実践英会話)

最近はヨーロッパの黒マグロについて悶着ありましたが、
プレイスも乱獲の影響を受けているようです。
他の魚たちと同様、乱獲のため、
北海での安定供給が脅かされている(とされている)魚です。

成長が比較的遅く、寿命が40年に至ることがあるにもかかわらず、
6年を超える固体は非常に珍しくなっているため、
WWFNによればICESが把握している8種あるプレイスのうち、
安定した供給が出来るのは1種のみ、
3種は乱獲状態にあるという報告が出ているようです。
出典:Plaice - Wikipedia

私の知る限り、鰈釣りが法で取り締まられるような事態にはなっていませんが、
今後どうなるかわかりませんね。
このブログでも書きましたが、小さいマダラは放流の義務が、
スズキ(Sea Bass)も50cm以下は同様の義務があります。

ちなみに、違反により逮捕に至った例もかなりあるようです。
アイルランドで釣りをされる方は、
とりあえずCodlingとSea Bass釣りの際にはご注意ください。


さて、釣り人との会話の中でもこれら規制はよく話題に上がるのですが、
ナンセンスだと思ってる方が多いようです。

商業漁獲、いわゆる網を使った漁というのは、
でっかい網で海の底から大小かまわず魚を根こそぎすくってしまうのが問題で、
しかも対象魚以外(いわゆる外道)の扱いはゴミ同然、
乱獲問題というのはそういう漁の仕方に原因がある。

釣りを趣味で楽しんでいる人の影響は皆無に近いという意見がほとんどで、
私もこの常識的な見解に賛成です。

例えば、ありえない大人数ですが、毎日1万人が釣りに行ったとします。
これまたありえない大収穫ですが、その全員がプレイス5枚を釣ったとします。
さらにありえないサイズですが、プレイス一枚400gとします。

さて、これが一年続いたとすると、
全体の釣果は365日 x 400g x 5枚 x 10000人で7300トンとなります。
ヨーロッパ圏での漁によるプレイスの水揚げ(2009年)は74180トンですから、
10分の1にも届きません。
ちなみに1985年の20万トンを境に、水揚げ量は年々減少しています。
出典:http://www.fao.org/fishery/species/3354/en

これだけ全員が爆釣しても、影響を与えるとは到底思えません。
規制をかけるのは政治的な理由としか考えられないです。
こっちの人は、理解できないことに規制かけるの大好きですからねー。

蛇足になりますが「ありえない」という、程度の根拠は経験則です。
こんなにでかいのがバシバシ釣れていて、
しかも放流を一切してないなんてのは見たことありませんし、
ネット報告でも聞いたことがありません。
釣りで有名な港々に土日一日中いてもせいぜい10人程度しか見かけない上、
平日ともなれば誰もいないことが殆どということで、
ありえないと書いておりますです。

ちなみに上の概算による例えを港で出合った方と話したときには、
信頼できる統計に基づいていないということで、
「実際はもっと獲ってるかも知れないじゃないか!乱獲反対!」と大反発。
実質的な情報の正確さを忘れてる方だったようで困っちゃった(笑)
常識と経験に基づいた「大体」の値というのは、実はかなり正確なんですよ。
細かくすると誤謬も発生し、本質を捉えないデータになることもままありますからね。

って、仕事モードになっちゃったよ。
ごめんなさいです。
・・・・追い詰められてるのか、俺って(笑)

次回は金曜の釣りについてです。


パパ先制打



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